《MUMEI》

何分ぐらいずっとそのまま突っ立っていたかは分からないが、少女に声をかけられ星羅は我に返った。


「あ…何?」


「ありがとうって言ったんです」


少女は痛い体を無理して起きあがらせ、壁に寄りかかった。


「なんで…、礼言われることなんてしてない」


「しましたよ、あなたは私がお金を持ってないって言ってくれました」


「あ、あれは口が…」


「ありがとうございます、おかげで守れましたから」


「何が?」

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