《MUMEI》 「ねぇ、センパイ。オレのこと、好き?」 「好きなんかじゃっ…!」 「ウソ。信じないよ、そんなウソ」 …何を言っても信じないくせに。 今までどんな断りをしても、聞き入れなかったクセに。 「センパイはオレのことが好きなんだよ。いい加減、認めなよ」 真正面から、俺の目を見つめながら言って、そして…いつもの熱いキス。 「んっ…」 噛み付くようなキスを何度もされると、頭の中がぼうっとしてくる。 抵抗なんて出来ない。 許してくれない。 「…ふっ」 いきなり唇は離された。…相変わらず勝手な。 「他のヤツなんて好きになるなよ。なったら、殺す」 「…誰を?」 「もちろん、そいつを」 ニヤッと嫌な笑みを浮かべる。 「センパイはオレ以外、好きになっちゃダメ」 「ワガママだな」 「ヤダな〜。センパイだって分かってるでしょ?」 …俺をまるで睨み付けるような目線で見てきた。 「オレが狂っているのはアンタのせい。アンタがオレを狂わせたんだよ」 「…なるほどな」 一理あると思ってしまう。 前へ |次へ |
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