《MUMEI》 そんなの無理!!「無理!!第一、どうやって降り んのさ。玄関から出られると でも思ってんの?」 「いや、思ってない」 悠一はしれっと答える。 僕はその言葉に対して「何も考えてないのかよ!!」と文句を言ってやった。 すると、悠一は「大丈夫だよ。ちゃんと考えてあるから」とか言ってきた。 そして、信じ難いことを言い出した。 「飛び降りろ」 「…は?何?僕に飛び降り自殺 しろってーの?」 「バカ、ちげぇよ。俺が受け止 めてやっから、飛び降りろっ つってんだよ」 「………」 僕は呆れてものも言えなかった。だって飛び降りろってさ、そりゃ無理っしょ。 それにさ… 「…てめぇ、何だよ。その顔」 「え、何がー?」 「思いっきり嫌そうな顔してん じゃねぇかよ」 「だって嫌だもん。悠一を信用 して飛び降りろって?そりゃ 無理な話だよ」 「うわー、なんかすっげームカ つく奴がいるー」 「本当のこと言っただけだし」 「…お前、本当に落とすよ?」 「その前に飛び降りないって」 懲りない奴…。 そう思って溜め息をつけば、悠一は不貞腐れたような顔をしてこう告げた。 「…じゃあ、もういい。帰る」 「はぁ?だから、どっからそう いう……ちょっ!?」 悠一は梨央に背を向けて歩き出してしまった。 あいつ、本当に帰るつもりかよ!? ったく、ガキじゃないんだからさぁ!! そう思いながらも、帰ってほしくないというのが本心のため、梨央は必死に悠一を呼び止めた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |