《MUMEI》
理不尽な暴力
どこでどうなったから


こうなってしまったのかなぁ

自問自答をしても

何も、わからないままの日々

両親が他界したのは、半年前

僕と姉は、大きな家を引き払って

マンションで暮らしてた


多額の遺産を引き継いだ、僕と姉は

生活には困らなかったものの
厄介な問題を抱えてた

姉さんの、彼氏が、急に、金遣いが派手になり

姉さんに、お金を借りまくるんだ

父が乗ってたレクサスも

今は、姉さんの彼氏が乗り回してる

僕の周りの友人たちも、
なんだか、僕を、妬んでるような…


進学を控えた、この時期

「どうせ、隆司は、働かなくても食って行けるんだろ?」

「適当に、遊べる大学にでも行けば?」

「私達は必死なの!」
「邪魔しないでよ!」

「いいなぁ、隆司はよぉ」


そんな風に、言われた

みんなが変わってしまったんだ


亜里沙姉さんの、友人たちも
露骨に態度が変わった人がいるって、言ってたっけな…

何日か前に、亜里沙、姉さん
彼氏の誠さんと、電話で喧嘩してたしなぁ…

もう、500万近く、貸してるみたいだし…


学校からの、帰り道

そんな事を考えながら、歩いてた

帰宅した、僕は、

なんだか身体がだるくって
すぐ、ベットに横になったんだ

「風邪、ひいたかなぁ」

独り言を言って、目を閉じたんだ


携帯の着信音で目が覚めた
部屋の中は真っ暗だった


怠い、身体を起こした

「…10時半かぁ…」

「姉さん、また、遅いのかなぁ…」

「姉さんが飯作る番なのに…」

また、独り、ボソッと呟いて

冷蔵庫の、お茶を飲んだんだ

「電話、鳴ってたなぁ…」

どうせ、姉さんからだろう、
そう思って、着信履歴を見ると

「誠さん?…」

誠さんから、5回も、着信があったんだ

その時、また、携帯が鳴った

誠さんからだった

「はい」

………

亜里沙、姉さんが大変な事になってるって!

直ぐに来てくれって

急いで、言われた場所に、タクシーで向かったんだ

次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫