《MUMEI》 産業道路の、ファミレスを、左に入って行くと 右手に倉庫があるって レクサスが停まってるからすぐわかる、 と、誠さんが言ってた 「ここだ」 タクシーを降り、 誠さんに電話すると、 誠さんが直ぐに出て来た 誠 「隆司、こっちだ、来てくれ」 隆司 「はい」 誠さんの後を付いて 倉庫の中の階段を上がった 事務所らしき部屋の中へ入ると 誠 「はい、隆司君の、到着です」 隆司 「!…姉さん…」 亜里沙 「隆司!…」 見たこと無い、男が1人と、派手な女が1人 亜里沙、姉さんを、押さえるように、 左右に居た 誠 「さぁ、長男の隆司君が 来たよ…」 「これで揃ったよなぁ…」 …なんなんだよ… いったい… 誠 「隆司君、この、キャッ シュカードから、現金を 出して来てくれないかなぁ、」 隆司 「それって…」 誠 「そう、アリサのカード だよ」 「生体認証らしいんだ」 「隆司の指紋でも、大丈夫 なんだろ?」 隆司 「……」 …なんだよ…ヤクザみたいな… 誠 「わかってるよなぁ?」 「アリサが無事なのは、隆 司君が、良い子だからだ よ」 「独りぼっちになっちゃう ね」 「アリサが居なくなったら さ…」 隆司 「誠さん…」 「姉さんの、彼氏じゃない の?」 誠 「はぁ?…金づるだろ」 隆司 「何でだよ!」 「あんなに仲良かったじゃ ないか!」 「どうしてだよ!」 叫んだ僕に、知らない男が立ち上がって 「騒ぐな!」 いきなり、腹に、蹴りが入ったんだ 隆司 「ぐぅ…」 息が出来ずに、その場にうずくまった アリサ 「隆司!」 誠 「近藤、派手に怪我させ ると、金、出しに行かせられなくなっちまうよ」 近藤 「腹なら、大丈夫だろ、」 誠 「まぁな」 近藤 「しっかし、いい女だ なぁ」 アリサ 「きゃっ、何するの よ!」 近藤 「ほぅ、意外に乳でけ ーじゃを、アンタ」 隆司 「止めろよ!」 立ち上がった俺に、 また、近藤の蹴りが腹に 近藤 「じゃかぁーしぃ!」 隆司 「ぐぅ……」 息が詰まり、身体が痙攣した 隆司 「げぇー」 「うげぇー」 嘔吐して、しまった 「汚いわねぇ、もう」 派手な女の声だった 誠 「あーぁ、汚しちまった なぁ」 「弁償だな、こりゃぁ」 近藤 「このガキ、いたぶっ て、女に金出させりゃい いじゃんかよ」 誠 「まぁ、それでも構わな いんだけどな」 マリ 「どっちでもいいから 、早くしてよ」 誠 「なぁ、アリサ」 「500万ぐらい、どって事 無いだろ、お前らにゃよ ぉ」 「痛い思いする前に、金出 せよ」 アリサ 「何で、私が、その 女の為に、金出さなきゃ いけないのよ」 誠 「このままじゃ、マリが 風俗に売られちまうだろ」 近藤 「可愛い、妹に、そん な思い、させたくねーん だよ」 「惚れた男の、新しい彼女 だ、金出してやれって」 なんなんだ、コイツら 理不尽な言い掛かりつけて… 近藤 「それとも、アンタが 風俗に行くか?」 アリサ 「止めてよ!」 「触んないでよ!」 マリ 「ホラ、早くしないと 、アンタの姉ちゃん、兄 貴にヤラレちまうよ」 「早く、言う事、聞きなさ いって」 マリって、派手な女が俺の前に来た 近藤 「面倒だ、そのガキの 腕でも折っちまうか」 アリサ 「止めて!隆司に手 を出さないで!」 隆司 「わかったよ……」 「カード、貸して…」 マリ 「あら、おりこうさん ねぇ、ぼうや」 前へ |次へ |
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