《MUMEI》

しかしアンパンマンは、第三者から見れば当然とも思える声を無視し、黙々と一方的な発言を続けた。



A常務「えー、我が社の食品製造に携わる人間が、このような不祥事に手を染めた上に、犠牲者まで出してしまったことは誠に痛恨の極みであります――…。」



記者達「(ヒソヒソ)おい……この会見、茶番じゃないのか…?」



記者席から湧き起こる小声の野次をアンパンマンの地獄耳が捉える――…。



その表情に険しさを増しつつも、アンパンマンは発言を止めることはなかった。



A常務「製パン部門長という重責を担う人間が企てたためか――…


取引記録においては、偽装工作の発覚を免れるために、改算などの措置が巧みに施されており、一見して不正を見抜けるものではございませんでした…。」



記者達「おぃおぃ、今度は言い訳かよ――…?」

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