《MUMEI》

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「なんでウチの電話番号…」


動揺して尋ねたわたしに、廉は、クラスの連絡網で調べた、としれっと答えた。


『土曜だからいないかなって思ったけど…お前もヒマなんだなー』


かわいそうなヤツ…と同情してくる。

バカにした言い方に、わたしはムカッとして、なによ!と言い返す。


「休日に家で休んでて、なにが悪いの?」


恨みを込めて言ったのだが、あっさり無視して廉は言う。


『どーでもいいから出て来いよ。お前ン家の前で待ってんだから!』


その台詞に、

思わず、ドキッとする。



………ウチの前??



嫌な予感がして、わたしは受話器を握りしめたまま、ゆっくり窓辺に移動して、閉めていたカーテンを少しだけ、そっと開く。


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