《MUMEI》 . ………『そのまま』って。 わたしは自分の姿を見る。 ヨレヨレのスウェットの上下。すっぴん。寝癖。 わたしはたまらず、ムリ!!と叫んだ。 「マジでやばいって!!」 末代まで笑われる!!と付け足す。 取り合わないわたしに、廉はイラついたのか、ため息をつき、 押し殺すような低い声で唸った。 『…今から、10数えるうちに出てこい!出て来なかったら家に乗り込む!わかったな!!』 言うが早いか、廉はいきなり、いーち!とカウントし始める。 わたしは悲鳴をあげて電話を切り、玄関へすっ飛んで行った。 . 前へ |次へ |
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