《MUMEI》
それでも強引なカレ
.




急いで家の外に出たおかげで、

廉が10数え終わるまえに、なんとか間に合った。


外に出ると、廉がタクシーの隣に降り立ち、門扉の向こう側から玄関にいるわたしを見つめていた。

彼はわたしの格好を見て、ぽかんとした。


「…それにしても、ひでー格好だな」


仮にもオンナだろ、と呆れたようにぼやく。

わたしは息を切らしながら門扉を乱暴に開いて廉に歩み寄り、だから言ったじゃん!と、大声で怒鳴り返した。


「アンタが『そのままでいい』って言ったんでしょ!!」


ふざけんなッ!!とまくし立てると、廉は眉をひそめた。


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