《MUMEI》 . 青ざめているわたしに、 廉が、 「行くぞ、タコ」 と、素っ気なくわたしを促して、デパートへ向かって歩き出した。 わたしは廉の背中に慌てて声をかける。 「こんな格好じゃ、お店入れないよッ!!」 普段着以下の服装で、デパートに入るほどバカではない。間違いなく場違いだ。 尻込みするわたしに、廉は深いため息をついて、あのさぁ〜!と面倒臭そうに言う。 「その服装で、この大通りにいる時点で頭のオカシイやつだから!今さら気にすんな!」 人ごとのように言ってのけると、わたしの腕をつかみ、グイグイと引っ張っていく。 ………やーめーてーッ!! 恥ずかしすぎるうぅぅぅぅうッ!! 必死の抵抗も虚しく、 わたしと廉は、眩しいデパートの光の中へと入って行った。 ****** 前へ |次へ |
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