《MUMEI》

ザワ…


「赤高と市立ね…」


ザワ…


観客席に座る聖龍高校の選手たち。


ザワ…


「赤高の試合見るのは市民体以来だな。」


井川が呟く。


ザワ…


「まぁ…
今までの赤高じゃ難しい相手だろうな。」


それに応える二ノ宮。


ザワ…


「…」


阿久津は1人、


クロや猪狩たちと組んだ試合を思い出す。


(あん時からどんくらいレベルアップしてんだ…)


ザワ…


「でも赤高って市内リーグ優勝したんでしょ?」


鈴木に尋ねる広瀬。


ザワ…


「らしいね。
海南に勝っての優勝。」


応える鈴木。


ザワ…


「あんな遊びの大会じゃな。
30分ゲームじゃなんとも言えね〜よ。」


桜井が投げやりにそう言った。


ザワ…


「阿久津ぅ〜。」


奥本が阿久津を呼ぶ。


ザワ…


「ん?」


ザワ…


「赤高の6番のポジション知ってるか?」


ザワ…


「6番…
あぁ、確かあいつはポストだったはず。」


ザワ…


「ポスト…ね。」


ザワ…


「何で?望夢の知り合い?」


ザワ…


「バカ!!知らね〜よバカ!!」


ザワ…


(じゃあ何で聞いた…)


ザワ…


「あいつには1点もやらね〜。」


ザワ…


「まず赤高と決勝で当たんね〜から。」


ザワ…


「ギャハハハハ!!


井川!!


俺そのクールな突っ込み好きだわ!!」


ザワ…

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