《MUMEI》

「さっきも言ったように、


両サイドのスピードはウチに分があるから、


ガンガン速攻を狙っていくのも有効かと。」



「もち。」 ※関谷。
「いい作戦。」 ※日高。



「うんうん。」



「セットはずらしから間を割ってく感じで。」



「…間を割れなかったら?」



「ロング。


もしくはサイドシュート。


後はポストシュートですね。」


ボソッ…


(沖の調子によりますが…)



「…ん?」 ※沖。



「…なるほど。」



「細かい部分は椎名に任せようかと。」



「…」



考え込むクロ。



「どう…ですかね…?」



不安そうに尋ねるユキヒロ。



「…いんじゃない?」



「マジすかッ!?」



「うん。
もし通用しないようなら僕がまた考える。」



ニヤッ…


ユキヒロと椎名がニヤつく。



「ただ…」



「えっ…?」



「ちょっと僕から。」



ゴクッ…


「何すか…?」



不安そうな表情をする選手たち。



「40分。」



「…は?」



「40分で勝負をつけよう。」



「よんじゅっ…ぷん?」













40分。


それはつまり後半10分の時点で勝負を決めるということ。


大会2日目である今日は、


この試合に勝ち進んだ後、


その日の内に準決勝が行われる。


ペース配分を考えた采配。


クロの手腕が問われる。


その為の課題。


それが40分で勝負をつけるという物であった。

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