《MUMEI》
嫌がらせ
学校に呼び出された

進路の話しだった

僕は、進学も就職も選ばないと言ったんだ

病弱の、姉の面倒を見なくちゃならないから、と、

なんとか卒業だけは、出来るようにと、
先生は、校長や、偉い人に掛け合ってくれたみたいだった

週に、何度か、学校に顔を出さなきゃならないけど


冬休みに入るちょっと前だった

帰り道に
クラスの奴らに呼び止められたんだ

「お前の姉ちゃん輪姦され たんだってなぁ?」

「お前、人、殺したんだろ ? 何で捕まらないんだよ ?」

僕は、無視して、立ち去った

…だから、学校になんか、行きたくないんだよ…

うぜぇなぁ…まったく…

……僕でさえ、こんななんだ…

姉さん、大学になんか戻れないよな…

……

嫌がらせは我慢してれば良い

何も答えず、何もしない

そう、決めてたんだ


終業式の後

就職組の、バカ達に

「面貸せよ」

と、道を塞がれたんだ

公園に連れて行かれた

また、嫌がらせか…

ウンザリする…

何を言われても
何も言葉を発しない僕に、キレた奴らは殴って来た

「気取ってんじゃねーよ!」
僕は、抵抗もせず、
目も、合わさなかった

何発か殴られた後だった

「今から、コイツの家に行 って、姉ちゃん、食っち ゃおうぜ」

そう、言い出した奴が居た
「美人、らしいぜ」

また、誰かが言った

隆司 「何なの、お前ら…」

奴らを睨みつけたんだ

「何だぁ、ぼっちゃん、俺 らと喧嘩するつもりかぁ ?」

へらへら、と、薄笑いを浮かべながら、
僕の胸倉を掴んだ、茶髪の汚い顔の奴を、

僕は、顔面に、拳を叩き込んだんだ

鼻が折れたみたいだった

大勢が、僕に掴み掛かって来たけど

僕は、そいつの鼻だけを、何発も、何発も、殴り続けたんだ

騒ぎに気づき、
誰かが通報したのか

警察が来た

逃げ出す奴ら

めんどくさいから、僕も、逃げたんだ

………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫