《MUMEI》

その日の夜だった

奴らから電話が来て、呼び出されたんだ

無視しても、良かったんだけど

「面白い、写真を見せてや るよ」

その言葉が気になって、

………

夜11時

公園の、ボート乗り場の前
奴らは少し遅れて現れた

クラスの奴が二人と

知らない、年上の奴が一人
用件は、下らない事だった
僕が殴った奴の鼻は、折れて、病院行きだったらしい
その慰謝料を払えだとさ…
キッパリ断った僕に

年上の男が言った

「この写真、ばらまいちま うぜ」

3枚の、写真を見せられた
姉さんが、脚を開かされてる写真

僕と、姉さんが、……してる、写真

僕の、裸の写真

隆司 「……」

「近藤は、俺のダチだから よ」

そう言って、僕の肩を抱き抱えながら、
写真を僕のポケットに入れて来たんだ

「まぁ、100万で、買ってく れりゃぁ、いいよ」

隆司 「…何で…」

何で、こんな写真が…

「近藤から、電話があって なぁ、」

「俺も、お前の、姉さん、 食ったんだよ」

「良い、身体、してたなぁ 、また、お願い、したい もんだぜ」

隆司 「…」

鼻を折られた奴の敵だとか言われて

リンチにあった

無抵抗だった、僕は、池に落とされたんだ

真冬の、夜に

へらへらと、笑う奴ら

何とか、池から出た、僕に
「明日の、夕方、お前の家 に行くからよ」

「金と、姉ちゃん、用意し とけや」

ナイフを、僕の顔に当てながら、そう、言った

隆司 「…」

何なんだよ…

何で、こんな…

もう…嫌だ

…もう、ウンザリだ…

隆司 「…もう…」
「どうでも……いいや…」

そう呟いて

ナイフを無視するように

立ち上がった

頬が切れたみたいだった

けど、関係無いよ…

不思議と、痛みは感じなかった

「バカ、切れちまったじゃ ねーかぁ!」

手を引っ込めた、年上の男の、股間に、思いっ切り、膝を、入れた

ナイフを無視して、殴りまくった

クラスの奴らが、俺に掴み掛かって来たけど、関係無い

力尽きるまで、殴ってやる
けど、3対1で、勝てる訳もなく…

ボコボコにされたのは、僕の方だった

……

「マジ、殺すぞ!」

そう叫んだ、年上の奴に

隆司 「…殺せよ…」

身体を起こしながら、そう言ったんだ

隆司 「…生きてるかぎり… …お前らを、狙ってやる」
「金の、続く限り…」

「お前らを、いたぶってや る」

「今度は、…俺が、…お前 らを、狙う番だよ…」

クラスの奴らは、

「もう、止めようよ」

「やりすぎっすよ」

そう、口にした

隆司 「…ほら…殺してみろ よ…」

立ち上がり、年上男の目の前に行って、
睨み付けながら、言ったんだ

「じゃぁかぁしい!」

殴り倒された

………

「つまんねぇな、」

「帰るぞ!」

年上男の声だった

………

独り、公園に残され

地面に這いつくばってた

身体が痛かった

隆司 「…寒いなぁ…」

ゆっくり、身体を起こして
歩きだしたんだ

……

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