《MUMEI》

〜・*・〜・*・〜〜・*・〜・*・〜〜・*・〜・*・〜


さっきから鼓動が鳴りやまない。


まだ颯馬に触れられた頭部が熱を帯びている。


“もう来るな。”


突き放されたと思った。


凄く悲しかったはずなのに…。


どうして私は今……嬉しいと思ってるんだろう?


颯馬の手が私の頭に触れた時、
彼は目を見開いて私以上に驚いていた。


過去の記憶を消したとは言っていたけど……。


身体はしっかり覚えてるじゃない。


あの行動は小さい頃、
落ち込んだ私を励ます行為だった。


私はフッと笑みを零した。


ああ、やっぱり私、颯馬が好きだな……。

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