《MUMEI》 . 廉を止めようと、ちょっと!と、荒げた声をあげたが、店員は笑顔で、かしこまりましたぁ〜と答え、さっさとワンピースを持って来る。 「こちらへどうぞ〜」 ワンピースを片手にそう言いながら、店員はわたしをフィッティングルームまで、無理やり案内する。廉もおとなしくついて来た。 わたしは廉を振り返り、あのさ!と小声で言う。 「わたし、お金持ってないけど!!」 慌てて家を飛び出したから、財布どころか携帯すら持ち合わせていない。まさか、こんなふうに連れ出されるとも思っていなかったし。 . 前へ |次へ |
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