《MUMEI》

赤高ベンチ。



「佑香ちゃん?」



「はい?」



「あの右45の名前は?」



クロが佑香に尋ねる。



「えっと…」



選手名簿(1冊\500)を開く佑香。



「大下晃。
身長171cmの3年生ですね。」



「ふ〜ん…」



「どうしてですか?」



「いや…上手いなっ…て。」


























「ピッ!!」



「1本行こうッ!!」



赤高ボール。


リスタートを仕掛けるが、


ここは市立、


しっかりと戻っている。



(そう上手くはいかね〜か…)



椎名は峰田へパスを出す。


峰田は関谷へ。



「関谷さんッ!!」



椎名の声を聞き、


上へ上がる関谷。



ボールは峰田へ。


峰田から椎名。


走って来た関谷に椎名はパスを出し、


関谷はそのままユキヒロの方へと走る。



チラッ…



(…っし。)



ヒュッ…



関谷の視線はユキヒロ。


が、


その逆へとパスが出される。


ポストパスだ。



「ぬぉぉぉぉぉッ!!!!!」



(やべ…ちょいずれた…)



必死にパスを取る沖。


体勢が難しい。



(無理すんなよ…!?)



心配そうな表情を浮かべるユキヒロ。


しかし、



「んぬりゃッ!!!」



沖はシュートを打つ。


バックシュートだ。



バスッ!!



「な…ナイッシュー…」



「なんでテンション低いんだよッ!!」



「いや…まぐれかと…」



「バカがッ!!」



沖のバックシュートが決まり、



4対2。



この時時間は4分18秒。

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