《MUMEI》

食事の後、ケーキを食べた
姉さんは、普通?に

俺に接してる

俺は…

……姉さんを…

…やっぱり…愛しい…

…けど…

アリサ 「聞いてる?隆司」
隆司 「うん…」
「引っ越し先でしょ」

アリサ 「…違う!」
「免許取りに行けって言っ たの!」

隆司 「う、うん…」

アリサ 「はい、パンフ」

隆司 「うん…」

アリサ 「…先の事、考えな きゃ」

隆司 「そうだね…」

アリサ 「…しっかりしてよ ……隆司だけが頼りなん だから…」

隆司 「うん」

「で、…なんでケーキなの ?」

アリサ 「クリスマスもなか ったでしょ…」

「それに、隆司の傷が、良 くなったから」

隆司 「思ったより、綺麗に 治ったよ」
「まだ、皮膚が突っ張るけ ど…」

アリサ 「…もっと綺麗に治 さなきゃ…」

隆司 「…いいよ…」

アリサ 「…」

隆司 「そのうちもっと目立 たなくなるよ」

アリサ 「うん…」

………

隆司 「ご馳走さま」

自分の食器を持って行き
自分で洗った

姉さんが、食器を持って来た

隆司 「俺、やるから置いと いて」

アリサ 「一緒にやろうよ」

俺が洗って、
姉さんが拭いて

…真横に、姉さんが居る…
……髪を短く切った、姉さんが…

…微かに、ブリーチの匂いがした…

アリサ 「?…」

姉さんが俺を見た

隆司 「髪、きらきらしてる ね」
「美人がさらに美人になっ たね」

アリサ 「…ありがと…」
「私も、変わりたかったか ら…」

「隆司、みたいに」

隆司 「俺みたい…?」

アリサ 「いつも、控え目で 、おとなしかった隆司が」
「俺って、言うようになっ た…」

「私がふさぎ込んで、イジ ケテル毎日だったのに」

「隆司は、必死に戦ってく れてた」

「隆司が、私に元気をくれ たの」

「だから、…もう…負けな い…」

「だから……」

姉さんが、言葉を止めた

隆司 「姉さんと、同じだよ 」

「姉さんの為に、何かした かった…」

「ただ、それだけだよ」

アリサ 「…」

隆司 「姉さん」

アリサ 「なに?」

隆司 「ダメもとで言うよ」

「姉さんを、欲しい」

「姉さんを抱きたい」

「姉さんが、好きだ」

アリサ 「…」

隆司 「…性欲だろって、言 われそうだけどね…」

「確かに、それも、いっぱ いあるんだ…」

「正直…悔しい…」

「あんな奴らに、姉さんが …」

「…あんな…」

アリサ 「隆司…」

隆司 「俺も、同じかもね… 」

「もっと、やらしい事を」

「もっと、乱暴に…」

「そう、したがってる、自 分が居るんだ…」

「自分が嫌になる…」

「けど…」

「それが、ホントの自分な んだ…」

「…だから、姉さんに、感 謝されたりすると」

「心が痛い…」

「きっと、姉さんの為に、 したんじゃないんだよ」

「…自分の為だったんだよ …」

「…そんな奴なんだ…」

「俺って…」

……

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