《MUMEI》
賢いクー
「わかった」


賢いクーはすぐに納得した。


「いい子」


キセノンは、そんなクーの頭を優しく撫でた。


…あら?


キセノンは、ネオンを見た。


いつもだったら、ここでネオンが入ってくるのに


ネオンは、何か考えている様子だった。


「ネオン?」


珍しくリアクションの無いネオンに、クーも気付いた。


「あ、…ごめんなさい。ちょっと、考え事」


ネオンが気になっていたのは、グリーン博士とエアーの関係だった。


研究熱心なグリーン博士


実験体の、エアー


グリーン博士の思わせぶりな言動


エアーの変化


まさか、ね


もし、仮にエアーがグリーン博士の実験体だとしても


手放す理由がわからない


それに、仮に手放したなら、何故今更また関わる?


「何か、気になる事があるの?」

「ううん、あの二人そろそろどうにかしようと思って」


キセノンの言葉にネオンは


未だに争うアルゴンとエアーを指差した。


「そうね」


キセノンはすぐに納得してくれたが…


「…」


あれは、何か隠してるな


クーは無言でネオンを見つめていた。

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