貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》

 眼前に広がるは荒廃した大地。そこには、草木の一本も生物の気配すらも皆無だ。
 吹き荒ぶ風は黄砂を巻き上げ、容赦なく照りつける日差しは荒廃しきった大地を、更に無惨な姿へと変貌させていく。
 この世界は、まさに死そのものだ。

 だが、この世界にあって、しかしあってはならぬ物があった。
 草木の代わりだと言わんばかりに立ち並ぶ無数の剣。
 その数、ゆうに数十を超えるが、数百には遥か及ばず。
 だが、その正確な数を数えることなど誰にも出来はすまい。
 ならば、それを無限と言っても間違いなかろう。
 その無限の剣は、見たところそのどれもが名刀や宝剣の誉れ高い業物ばかりのようだ。
 事実、その一本一本が内包している重圧は、その剣の歴史そのものだ。
 だが悲しいかな、担い手を失った剣はただただその身が朽ちるのを待つのみだ。少なくとも、この世界では……

 しかし、その中でも一刀、異彩を放つ剣があった。
 その刀身には、一切の汚れも刃こぼれも無く。
 その鍔は、見惚れる程の見事な装飾が施されている。
 猛烈な日差しをものともせず、威風堂々と突き立てられたその様は、剣の王と呼称しようともなんら問題ない。
 他の追随を許さないその剣は、しかし孤独であった。
 その高貴さ故に、未だに担い手が居なかったからだ。
 手の届かぬ至高の剣。
 自分ではこの手に握ることすら許されないと解りながら、俺はその剣をこの手にしたいと願った……


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