《MUMEI》
キセノン帰宅
「ただいま」


あー、スッキリした!


帰宅したキセノンは、ご機嫌だった。


本当、アルゴンはバカ過ぎて可愛いわー


そんな事を考えながら、玄関からリビングに入ると


「おかえり、キセノン」

「パパ」


…珍しい


キセノンと同じ位テンションが高い父・ライトの姿に、キセノンは目を丸くした。


「オゾン君、そんなに調子良かったの?」

「いや」

「じゃあ、どうしたの?」

「今日、久しぶりに社長に声をかけられた」

「え!?」


あの、社長に!?


社長は、妻を、つまりオゾンの母親を助けられなかったライトに冷たく当たっていて


オゾンの主治医になってから、ライトはほとんど社長に会った事がない事を、キセノンはよく知っていた。


「『あの時はすまなかった』と、謝ってくれたんだ」


「じゃあ…」


社長の妻も、『あの状態』から解放されるの?


キセノンは、期待を込めてライトを見つめた。


「残念ながら、それは無理だったが…

いずれは、そうなるかもしれん。

それくらい、穏やかじゃった」

「そう…」

「『娘さんとコミュニケーションをとれるよう、時間を作ります』」

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