《MUMEI》 オフ3「これ見て」 ブルーのクリアファイルの中には、新作化粧品の販売促進に関する企画書。 天宮はページを繰り、笑顔でウェルカに突き付けた。 「やってくれない?」 「…これ?」 「完成したら、絶対インパクトあると思うの。ただ、予算が足りないのよ」 「俺が?」 「任せて。ね」 苦い顔でしぶるウェルカ。 天宮が引く様子はない。 「同郷人を助けると思って」 「うん…」 「ね?」 「まぁ、これくらいなら」 「やった!」 長身の天宮が、手を叩いて喜ぶ。がたんとテーブルが揺れ、クッキーがはねた。 「絶対合うわよ。気が変わらないうちに始めましょ。終わったらおいしいディナーを振る舞うわ」 「じっとしてればいいんだろ」 「そう。こっち」 はしゃぐ天宮に腕をとられ、ウェルカはそのまま隣室へ押し込まれた。 「じゃ、全部脱いで」 前へ |次へ |
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