《MUMEI》
オフ5
白を基調とした柔らかな寝室。
天窓から差し込む光が暖かい。

羽織っていた浴衣を脱ぎ捨て、天宮はベッドへ滑り込んだ。

「…ん」

ふかふかの枕に埋もれていたウェルカが、眠気眼で腕をのばす。するりと天宮に巻き付けて、引き寄せる。

自然と唇が重なった。
触れるだけ。

「もう少し寝ましょ」

ふわふわ舞う赤毛に、つるりと指を通す。手入れされた感触を楽しんでいると、腰に腕が回り、ぐいと引き寄せられた。

人肌が暖かい。
ウェルカはまた目を閉じた。

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