《MUMEI》
高等部三年S組
鈴木虎之介視点


始業式も兼ねた入学式は、一応無事に終わった


真中が欠席した事以外は、特に驚く事は無かった


生徒会役員とその補佐


風紀委員とその補佐


鳳凰学園では、かなり特別な役割を持つこの役職についた人間が騒がれるのには慣れていた


誠はいちいち驚いてて、可愛…


…い、けど!それはあくまでも後輩としてだぞ


誠を可愛いとか守りたいとか思ってるのは、後輩としてなんだ


そうなんだ、うん!


…後で周りに聞いた話だが、割と男女が和やかムードな教室の中で、俺はかなり浮いていたらしい


三年生が、たとえ表面上だけでも女子を好意的に受け入れていたのは


それだけ現実を意識しているからだ


俺達は、あと一年したら


卒業して、男女が当たり前に共存する社会に出ていかなければならないし


早いヤツは正式に婚約が決まる


女が嫌とか、言ってられないんだ


だから


特別好きな相手がいないヤツは、女子と普通に話している


俺だって、そうしなきゃいけないのに


『…そうしなきゃ、いけない?』


何でノーマルの俺が、女と話すのに、そんなに構えてるんだ?

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