《MUMEI》
中等部三年S組2
安西和彦視点


「そういえば、会計は?」

小柄だが、目立つ容姿の会計は、いないとすぐにわかる


「生徒会室に避難してるよ。元々人見知り激しいし」

「そうだな」


いたら食われそうだし


小動物系の連中には、同じ系統か、見た目大人しそうな女が相手に選ばれていたが


その目は、獲物を狙うハンターだった


まぁ、それ目当てで来たんだから、当然だけど…


俺は、平気だけど


「皐月、大丈夫かな?」

「…この後の生徒会報告会に呼ぼうか?」

「そんな事、できんのか?」



皐月は風紀補佐なのに


心の声を口にしていた事を恥じる前に、問いかけていた


「成瀬先輩から、気になるメールもらったからね」


成瀬先輩は、高等部で一番まともな役員だった


「皐月に何かあったのか?」

「ちょっと体調崩したみたいだから、高橋先輩に付き添い頼むってメール来たよ」

「そっか」


高橋が付き添いなら、安心かな


皐月もなついてたし


それから俺達は、放課後になるとすぐに生徒会室に集合し


そこで、中等部の意見をまとめ


高等部生徒会との報告会の為、俺も含む補佐も一緒に生徒会寮へと向かう事にした

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