《MUMEI》
天気予報
 雨の日は嫌い
気分まで暗くなる様な気がするから
晴れの日も嫌い
自分も晴れていなければいけない気がして
だから、曇りが一番好きだった
今日は、雨
嫌いな、空色
「……嫌な空」
仕事帰り
人通りの多い表通りを歩く自分
傘を差しながら家路を急げば
途中、電柱の傍に段ボールが置いてある事に気付いた
そして、その前で立ち止まる一人の男性
一体何をしているのだろうと様子を伺えば
「お前、ずぶ濡れだな」
その声が聞こえてくる
一体何と話をしているのかと思えば
その段ボールの中には仔猫
ありきたりなその場面に出くわして
それでも猫に話しかけるその人がとても優しげに見えた
単純な、思い込み
それでも
「……偶には、雨も悪くない、かな」
自己満足に何となく浸りながら
軽い足取りでその日は家へと帰ったのだった……

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