《MUMEI》 両チームの選手たちがコートに向かい、 試合が再開されようとしていた。 そんな中、 赤高ベンチではちょっとした事件が起こる。 … 「…何であんな作戦出したんだ?」 きっかけは安本のこの発言から始まる。 「え?」 突然の発言にわけがわからない様子のクロ。 千秋の代わりにベンチに下がった沖や、 マネージャーの佑香も驚いた表情であった。 「確かに、 キミはコーチだし、 俺と違ってハンドの経験も豊富だろう。 だけどな? あんな指示を出すのは納得がいかない。」 安本の表情からは怒りの様子が伺えた。 「…千秋のことですか?」 何かを悟ったクロがそう言った。 沖と佑香、 そしてベンチに座る1年生たちには何の話をしているのかわからない。 「そうだ。 スポーツを知らない俺でもわかる。 あんなのはコーチが出す指示じゃない。」 「…ホントわかってないすね。 そりゃ安本さんが千秋を心配する気持ちもわかりますけど、 これも立派な戦術ですよ。」 「…もしものことがあったら俺は許さないからな。」 「…始まりますよ。」 前へ |次へ |
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