《MUMEI》 椎名がベンチに戻ろうとするが、 「あっ、そこでいい。」 クロがそれを止める。 (…交代じゃないのか?) 「次千秋にボール落としてきて。」 「え?」 「無理矢理でいいから。」 「や…やってみます。」 「よし行け。」 走り出す椎名。 「ユキヒロさん!!」 ボールをユキヒロから受け取る。 「1本行きましょうッ!!」 赤高。 セットプレーからの展開。 … ザワ… 「何か指示が出てたな。」 ザワ… 「なんだろ?」 ザワ… 「クロのことだからな。 またど〜せろくでもない作戦を…」 ザワ… キッ!! 美紀がヤマトを睨む。 ザワ… 「す…素晴らしい作戦を出したんだろ〜ぜ…」 ザワ… … ガツッ!! (いたっ…!!) ガツッ!! (いててっ…!!) 沖の代わりにポストに入った千秋だが、 密集地帯の当たりの激しさに対抗できずにいた。 (こいつ… 見た目通り力よぇぇ… めっちゃ位置取り下手くそじゃね〜か…) 中を固める市立のディフェンスの前に、 早くも千秋は弱点を見抜かれていた。 前へ |次へ |
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