《MUMEI》 赤高ベンチ。 「…あれも指示か?」 安本がクロに尋ねる。 「まぁ…作戦の一貫です。」 答えるクロ。 「…」 … (今のは俺じゃね〜だろ…) 疑惑の残るワンプレーだったが、 実は今のプレー、 大下は千秋には触っていない。 観客席のヤマトたちが言うとおり、 千秋は自分で勝手に転んでいたのだ。 もちろんこれは計算されたプレー。 7メートルを貰う為。 市立の選手たちや観客席の者たちにはそう見えていた。 もちろんそれも正解。 だがクロの真の狙いはそうではなかった。 … 「ピッ!!」 審判の笛が鳴る。 「1本行くぞッ!!」 ボールは市立工業。 「45オッケーッ!!」 やはり大下には千秋が付く。 (何食わぬ顔でプレーしやがって…) 前へ |次へ |
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