|
《MUMEI》 キュキュｯ!! ｢ちっ…｣ 突破を狙う市立工業だが、 予想外に1･5ディフェンスに苦戦する。 赤高の選手たちが集中していることも理由の1つだが、 上のポジションのどこか1つだけでも封じられるのは厳しい。 右45大下がマンツーで付かれている分、 センターの仕事は半分に制限される。 リズムが崩れ始めていた。 (どうする…？) 攻め手に困るセンター。 しかし、 次の瞬間。 ダｯ!! 大下がクロスに走りだしていた。 (よこせｯ!! さっきのでわかったろ？ こいつはこすいファール貰うだけの奴だ。 こんなヒョロヒョロのチビに俺が押さえられるわけね〜ｯ!!) クロスからボールを貰う大下。 しっかりと付いて行く千秋。 キュキュｯ!! 大下は千秋を抜きにかかる。 … ｻﾞﾜ… ｢甘いな。｣ 観客席の千葉が呟く。 ｻﾞﾜ… (ワンプレーとはいえ俺を押さえた奴だぞ？ お前も大した選手だけど俺とは…) ｻﾞﾜ… … そして赤高応援席。 ここにも1人、 千葉と同じことを考えている男がいた。 ｻﾞﾜ… (俺の突破に付いて来た奴だぞ？ お前程度のプレイヤーに突破できるわけね〜だろ。 お前は俺とは…) ｻﾞﾜ… (格が違う。) (格が違う。) 千葉と猪狩。 2人のトッププレイヤーが千秋を評価していた。 そしてその期待通り… … ｢ピーｯ!!｣ ｢チャージだｯ!!｣ 千秋は大下を押さえる。 さっ… 手を上げる審判。 そしてその手には、 (んな…バカな…) イエローカードが握られていた。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |