《MUMEI》

隆司 「…俺…」
「性欲だけで、突っ走っち ゃったのかなぁ…」

アリサ 「…」
「同じよ……私も…」

隆司 「……」

アリサ 「隆司と、無理矢理 させられたとき」

「…正直…あんな奴らにヤ ラレルぐらいなら、隆司 の方が良いって思った」

隆司 「…」

アリサ 「あんな奴らに、中 に…」

「……思い出すだけで…」 「悔しくて…」

隆司 「…」

アリサ 「話しとくね…」
「隆司には」

姉さんが、涙を堪えながら、俺を見た

アリサ 「隆司が意識無くし た後にね…」

「近藤の仲間が来たのよ」

「隆司が公園で揉めた人も 居たわ…」

「それと…」

「私の、知り合いが二人… 」

隆司 「姉さんの知り合い? ……」

アリサ 「中村と……真樹も …来たのよ…」

隆司 「!…同級生じゃんか ぁ!」

アリサ 「真樹なんか…同じ 大学だしね…」

隆司 「何で?……」

アリサ 「…近藤て、親しい らしいわ…」

隆司 「…」

姉さんの居場所を…取り戻せない……

アリサ 「…だから、引っ越 すの…」

「隆司の卒業を待って…」

「……」

隆司 「すぐ、引っ越そう… …」

呆然としながら、そう言った

アリサ 「……」

隆司 「中村って…姉さんを …」

アリサ 「何度も告られたわ ね…」

隆司 「なのに…何で…」

アリサ 「欲しかったのは、 身体だけなんじゃないか しら…」

「真樹の見てる前で…何度 も私を犯してたわ…」

「気違いね……」

怒りが込み上げて来てた

アリサ 「…」

「隆司も…レイプ、してみ たい?」

姉さんの言葉に、耳を疑った

アリサ 「そんなようなの、 持ってるじゃない」

「DVD…」

隆司 「えっ?……」

アリサ 「知ってるよ…」

「本棚の、右下…」

隆司 「あっ……ぇえっ?! ……」

頭の中、真っ白になってた……

アリサ 「正直に、言って見 て」

「そういう、欲求って、あ るの?男って…」

隆司 「……」

姉さん、真顔で聞いてる…
隆司 「行動するかどうかは 別だけど…」

「…他の奴は、わからない けど…」

「他人の、大切な女を…」

「自分勝手にヤラシイ事出 来たら…」

「そういうのは、あるかな …」

アリサ 「そっか…」

隆司 「…」

アリサ 「まぁ、中村なんか に手の届く女じゃないし ね……私は…」

姉さん、明るく言い放ったんだ

俺、姉さんがわからなかった

アリサ 「悔しくけど…」
「…悔しくけど…過去の事 にしなくっちゃ」

「…前向きになれたのは、 隆司のおかげよ」

「ありがと、隆司」

隆司 「…」

姉さんが、前向きになったのは良い事だけど

俺は、素直に喜べなかった……

姉さんが、変わってしまったような気がして…

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