《MUMEI》 隆司 「俺は自分なんか見え て無い」 「姉さんに対してだって性 欲が一番かもしれない」 「傷ついた姉さんに、俺… …俺…」 アリサ 「私が良いって言っ てるんだから、気にしな くて良いのよ…」 隆司 「でも…」 アリサ 「誰だって、性欲、 あるわよ」 「…どうだった?」 「私の身体?」 いたずらっぽい顔をして、聞く姉さんに、イラっとした 隆司 「…」 アリサ 「隆司も、自分をち ゃんと見付けて」 「流されるなら、わかった 上で流されなさい」 姉さんが、何を言いたいのか、わからない アリサ 「友達に、ブランド を自慢して…」 「お金持ちのお嬢様って言 われて」 「そんな事無いよって答え ながら、自慢してる私が いた…」 「見栄っぱりで、我が儘な 私…」 「都合良い男だけ、側に置 いて…」 「セックスはおざなり…」 「…喧嘩したら、男を捨て る…」 「…自業自得ね…」 「まともな友達なんか、出 来るはずないもんね」 「…誰からも…大事にされ ないよ…」 「こんなんじゃ…」 「……」 「今までの私はそうだった …」 隆司 「そんな事無い!」 「俺は、姉さんを大事に思 ってるし…」 アリサ 「隆司は他人じゃな いでしょ…」 隆司 「…」 アリサ 「……隆司は友達居 るの?」 ハッとした… 隆司 「……居ない、かな… …きっと、居ないんだ…」 「俺……」 姉さんが言う意味が、少しわかった気がした 隆司 「少なくとも、親友は 居ないな…」 「…こうなって…初めてわ かったかな…」 「…違う、…な…」 「前から、わかってた…」 「羨ましがられて…」 「金持ちだから…」 「…だから…」 「俺、自己主張、しないよ うにしてたのかも…」 「……本音を言わないよう に…」 「目立たない、ようにって …」 アリサ 「私も、そう、思う よ」 「隆司、変わったんじゃな い」 「本当の隆司が出て来ただ け」 「…そう、思ったの…」 隆司 「…そうかもしれない な…」 「自己主張、しなければ、 イジメられない…」 「けど…どこかで見下して たかも……」 「…友達を、作らなくして たのは…自分の方かもし れないなぁ…」 アリサ 「……」 隆司 「……」 また、部屋に沈黙が続いた …… 前へ |次へ |
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