《MUMEI》
幸子の場合
薄い皮膚に針を刺した。
25個めのピアス
針を抜いたら、たくさんの血が溢れて慌ててティッシュをあててみる。
流れだした赤色がお気に入りの白いワンピースに波紋を拡げて少し泣きたくなった。
二十歳の私は名前だけ幸福を帯ていて何だか切ない。
手についた血液を舐めてみる、鉄と私の味がした。もっと口に含んでみたくて手首を切った。
血が薄く滲んでもっと深く切った。
躍動感を得た赤色がどばどば騒だす。
ざらついた舌で舐めてみると頭の中がおかしくなって笑いながら泣いた。
前世は吸血鬼だったのかもなんて思ったりしてまた泣いた
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