《MUMEI》 . わたしは、ゆっくり空を仰いだ。 広い、広い青空。 どこまでもつづくスカイブルーは、腹が立つくらい爽やかで、 より一層、わたしの気持ちを暗くさせる。 −−−正直、 『男の子と付き合う』ってこと自体、よくわからない。 テレビのアイドルとか、マンガの王子様にキュンとすることはあっても、 それが『恋』なのかどうか、わからない。 ………やっぱり、わたし、コドモなのかなァ。 わたしはまた、ため息をついた。 そのとき。 境内にまっすぐ伸びる、参道の上に敷き詰められた砂利が、微かに鳴った。 わたしはハッと顔をあげる。 そして、目を見開いた。 わたしが座っているベンチから、少し離れたところにある、朱い鳥居。 その鳥居の下に、 男の子がひとり、立っていた。 ****** 前へ |次へ |
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