《MUMEI》

古舘キャスター『この二人が語った会見報告によりますと、ジャム食品による一連の不祥事は、先日みずから命を断ったカレーパンマン部長が、単独で企てたとするものでした…。


…テレビをご覧の皆さんは、この説明に納得できるでしょうか?


…おそらく日本国民ならば、誰一人として“はいそうですか”と納得できる方はいないでしょう…。』



まるで視聴者の感情を先読みしたかのようなコメントを区切りに、記者会見の静止画は次の一枚に切り替わった。



古舘キャスター『そんなこんなで当然ながら、記者会見は荒れに荒れました。』



静止画には、記者達の鋭い質問に困窮するアンパンマン常務の姿が写っている。



そのツヤツヤと丸い頭には、カメラのフラッシュが幾重にも反射していた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫