《MUMEI》
そして、放課後3
「あのさ」

「ははははい!」


…そんなに怯えなくても


しかも、微妙に距離あるし


何か


俺がSだと勘違いした時の虎之介先輩みてーだな


「メール確認していいか? 」

「どどどどうぞどうぞ!」


…やっぱり違うか


ここまでびびって無かったし


歩きながらだと危ないから、廊下の隅に寄って、虎之介先輩からのメールを確認した


『ごめん

一緒に帰る約束してたけど、誠は生徒会補佐の仕事あるよな?

だから、俺春宮達と一緒に先に帰る

あ、春宮は、三年一番の名字だから

夕食は、遅くなっても待ってるから一緒に食べよう

一年生には、今日は観音寺さんが考えた入学祝い特別メニューがあるし

じゃあ、また後で』


虎之介先輩、…優しい


皐月や皆に怯えられたせいか、優しさが身にしみるぜ!


『サンキュー、虎之介先輩!

会えるのも、一緒に夕飯食べれるのも超嬉しい

けど、我慢できなくなったら、先に食べていいからな!

じゃあ、また』

「すっごい笑顔」

「ん? だって…」

「ご、ごめんなさい!生意気言って!」

「あのさ、皐月…」

「ごめんなさい!あ、道こっちだから」

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