《MUMEI》
出会って
.
「…ってぇ!!」
俺は激痛に倒れ込んだ
高校に入ってまもなくの
体育の授業で、バレーの試合をしてた時だった
ネット際で。
アタックを打った後にバランスを崩し
着地と同時に手を突いたら
左腕が変な方向に曲がったんだ
…打ったアタックは決まったんだけど
代償、デカすぎ
「〜〜〜〜っ…」
俺は左腕を押さえて呻くしかなかった
「大丈夫か!!?」
ネットの向こう側から
誰かが駆け寄って来た
そいつは俺を抱え起こして
「先生!!」
先生を呼んだ
…俺は痛みでそれどころじゃなくて
駆け寄ってきた奴の顔は
見て無かったけど
先生が駆け寄って来た
先生は俺の左腕に軽く触れて
俺が顔を歪めると
先生は緊張したのか
息を飲んだ
「骨か…保健室に…」
「俺が連れて行きます」
先生の言葉を遮って
「…また怪我人が出るといけませんから。先生はここにいて下さい」
その《誰か》が言って
立ち上がり
「立てる?」
「…大丈夫」
右腕を引っ張り上げて、
俺を立たせた
そのとき始めて
ちゃんと《誰か》の顔を見た。
身長は俺と同じくらい
見た目は
…格好良いって類いに入ると思う
名前…なんだっけな
同じクラスなんだよな
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫