《MUMEI》
「……脱ぐまでわね…。っていうか、アンタそれどうしたのよ。まさか、日頃から持ち歩いてんの?」
リンが拳銃を指さし聞く。ふむ、リンにも気付かれなかったか。
「…これか?」
その拳銃をこめかみに当て引金を引く。
ぱあんっ!
「きゃっ!」
リンは顔を背ける。トラウマティックな映像は見たくないらしい。
「ってね。良くできてるだろ?コレはあいつの言う通りモデルガンだ。」
薬夾が落ちスライドするが、弾は出ない。当然、オレのピンク脳も人目に触れることはない。
「でも、あのガラス…。」
ガラスを指さす。確かに、ガラスは割れており、一般的なBB弾ではこうはならない。
「それはそこの相棒の仕業さ。」
さっきの騒動の時、横にたっていたタカを見る。
「これだよ、スリングショット。パチンコとも言うね。ケンが片目をつぶったら一拍おいて撃つのさ。銃ほどではないけどガラス位は割れる。」
Y字形の木片を取り出す。弾はそこらの小石だ。
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