《MUMEI》
甘いマスクの少年
由美子と美沙子とめぐみは仲良し三人組のマッサージ師。健康ランドの男湯のマッサージルームで、三人は話していた。
「たまにはイケメンくんをマッサージしたいな」めぐみが言った。
「ダメよ公平にサービスしないと」二人より少し年上の由美子が笑う。
「イケメンくん。きょう来てるよ」美沙子が笑顔で言った。
「どこにいるの?」めぐみが聞く。
「あたしの小学校のときの後輩でね、祐也君っていう子がいるんだけど」
「小学校んときの?」
「あたしが6年生のとき1年生だから、今19かな」
「若い。年下かあ。美沙子呼んできなよ。お姉さんがサービスするからって」
「危ないからな、めぐみ」美沙子がニコニコする。
「何が危ないのよ」
そこへ甘いマスクの少年が裸で歩いてきた。
「あ、ちょうどいい。祐也君」
「あ、どうも」
やや長めの茶髪にスマートな体。ドキッと来る美形。めぐみと由美子は顔を紅潮させて美少年を見た。
「祐也君。マッサージはどう?」
「マッサージ、高いんでしょ?」
「安いよ、4000円」
「十分高いじゃないですか」祐也が爽やかに笑う。
めぐみは積極的に祐也の腕を引っ張った。
「こんな美人のお姉さんに三人がかりでマッサージされるんだよ。安いもんでしょう」
めぐみは強引に祐也をうつ伏せに寝かせると、オイルマッサージを始めてしまった。
「強引」美沙子が笑う。
三人がかりでマッサージをされた祐也は、うっとりした顔をする。
「気持ちいいですか?」由美子が聞く。
「凄く気持ちいいです」
次は仰向けだ。股にタオルを乗せて、また三人がかりで全身をマッサージした。
ひと通り終わると、めぐみが祐也の胸に手を乗せながら、「はいおしまい」と言った。
「股は洗ってくれないの?」
この一言に、三人は驚いた。めぐみはカチンと来た。
「洗ってほしいの、洗ってあげるよ」
「めぐみ」
めぐみは股にあったタオルを取ると、洗うというよりオイルマッサージを始めた。
「ちょっと…」
めぐみの秒殺態勢の局部マッサージに、祐也は慌てて手を出した。
「何、自分が洗えって言ったんでしょ?」
「洗えなんて言ってない」
「洗われても平気だから言ったんでしょ?」
「めぐみ、何キレてんの?」美沙子が笑う。
「キレてないよ」
そう言うと、また洗い始めた。
「ちょっと…」祐也が強い力でめぐみの手首を掴んだ。
「わかった、わかった、もうやらない、やめるやめる」
祐也がムッとして睨む。めぐみも睨んだ。由美子が間に入って言った。
「やめなさい二人とも」
「祐也君」
知っている先輩の美沙子が肩を触ると、祐也はようやく、めぐみの手を放した。
すると、めぐみが祐也の背中を触る。
「オイル落ちてないから、もう一回うつ伏せになって」
祐也は素直に従い、うつ伏せになった。
めぐみは祐也の両手首を取ると、不意打ちにタオルを巻いてギュッと縛ってしまった。
「何してる?」
「やめなさいってめぐみ」
美沙子と由美子は面白がって笑っている。めぐみが祐也を仰向けにすると、健康ランドの店員が入ってきた。
一人は男性だ。黙々と整理整頓をしていく。若い三人の女性店員は、異様な光景に気づき、めぐみに聞いた。
「何やってるんですか?」
「あたしを殴ろうとしたから縛ったの」
「殴ろうとなんかしてない」
めぐみの目が光る。サディスティックな興奮が抑えきれなかった。

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