《MUMEI》
忘れ物
-


数日後の昼休み



「沙季」

「何?」


少なからず生徒がいる教室で







「別れてくれないか」

「えっ…」


俺は非情に、断ち切った




教室がシンとなって


やがて

沙季は涙を拭いながら教室から、出てった





ゴメンな?

お前の気持ちに応えられなくて








教室にざわめきが戻るのに、

そう時間はかからなかった











----------------------------------


怪我の影響もあり、

俺の今回のテスト結果は

警告ランプ点灯



課題を出されてしまった



今日中って…無理!


だけどやれるだけやっていこうと(エラいだろ?笑)


居残っていた



教室には俺…


…だけ




「…書きにく〜…」

ぼやきながら問題を解いていくも

「分かんねー…」

その繰り返しにうんざりしてきた頃



「そこは−5Xだろ」


「っ!」


思わぬ背後からの声に

俺は飛び上がって驚いた


後ろから俺のプリントを覗き込んでいたのは



「しゅ…秀一…」

「ふふっ…ビックリし過ぎ」

秀一はクスクス笑う


「お前…帰ったんじゃなかったか?」



今日は、全部活が休みだ



「帰る途中に忘れ物を」

秀一は手にしたペンケースを少し上げて見せた





「思い出しまして。」

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫