《MUMEI》

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そんなわたしの様子を見て、廉がわざとらしいほど大きなため息をついた。


「…どんくせーヤツ」


悪口を聞き逃さないわたしは廉をギロリと睨みやり、なんだって!?と凄んでみせたが、あっさり無視された。

腕時計を見、チッと舌打ちする。


「時間くっちまったなー」


呟いたかと思うと、廉はさっさと店を出ていく。わたしも慌てて覚束ない足取りで、彼の背中を追いかけた。

背後から店員の、またお越しくださいませ〜♪と、呑気な声が聞こえてきた。





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