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《MUMEI》 ママの集い｢つづみちゃん、私も鞄買って貰えるのよ！｣ つづみちゃんはお隣りの奥様だ。 私より年下で近所でも評判の美人妻だ。 ｢やりましたね、多恵子さん！そうそう、この間うちの人がお世話になりました。｣ 私の夫とつづみちゃんの夫は同級生で家族ぐるみで付き合いがある。 お嬢様で、旦那様も社長で、育ちが良いのがよくわかる。 ｢いいのよ、あの人に合わせたら急性のアル中になっちゃうんだから。｣ 夫は学生時代ザルで有名だった。 ｢本当に恥ずかしい、男の人ってどっか子供のまま……。｣ ｢わかーるー！｣ つい、声を大きくしてしまった。 ｢うちの人に多恵子さん言ってやって……！｣ ｢自分の旦那でしょう、ガツーンと言ってやりなさいよ。｣ ｢無理……聞かないもん。多恵子さんの言うことなら聞くじゃないうちの人。お願い〜、殴ってもいいからあ。｣ ｢ちょっと……つづみちゃん！いつの話よ！｣ 学生時代、つづみちゃんの旦那と私は大喧嘩して彼の顔面を殴って奥歯を欠けさせたことがあった。 ｢多恵子さんかっこよかったあ、多恵子さんが居たから今の私が在るのよ。｣ 昔の私も元ヤン上がりでかなーりアレだったものね……。 伝説の総長とまで讃えられた内館君を神聖視していたものそれがいつの間にかうちの人を……。 ｢もう、懐かしいことばかり思い出させないでよ！｣ つづみちゃんの旦那とはうちの人を争った仲である。 前へ |次へ |
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