貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》帰途
冬の日暮れは早い。
放課後の坂道をダラダラと下る私達の影は長く伸び、手と手が重なった。
「ね、かおるちゃん」
「ん?」
つないだ手をブンブンと振りながら、サチがニコニコと呼び掛けてきた。
「明日も幸せだといいよね」
またいきなり、変なことを言う。
「なぁに?突然」
「だって、アタシの今日は幸せだったんだもん。この先何があるかわからないけど、明日だって幸せがいい。」
サチは妙に真面目な顔をしていたから、なんだか笑いそうになった。
「そうね」
「あ、今笑ったでしょ?」
「そんなことないよ」
「むぅ…まぁアタシは、かおるちゃんがいてくれればそれでいいけどね!」
「…そう」
思わず下を向いてしまった。サチの他人との距離の取り方は、すごく危ないと思う。
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