《MUMEI》 特別待遇A. わたしは半泣きで、フラフラと廉に駆け寄った。 「この靴、ヒール高すぎて歩きづらいのよッ!」 フラフラと傍に寄り、言い募ったわたしに、廉は深いため息をつく。 「ホントに手のかかるヤツだなァ…」 ぼんやりと呟いたかと思うと、なぜか廉はわたしの肩を抱き、ピッタリと身体をくっつけた。 わたしはビックリして、反射的に彼の身体を押しやりながら、なにッ!?と叫ぶ。 「いきなりなにすんのッ!!放せ、ヘンタイッ!!」 わー!わー!喚くわたしを見て、廉は眉をしかめて睨みつけた。 「こーした方が歩き易いだろ?」 ………確かに歩き易くなったけど。 わたしは抵抗するのを止めた。廉はわたしの肩を抱いたまま歩き出す。 . 前へ |次へ |
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