《MUMEI》
特別待遇A
.

わたしは半泣きで、フラフラと廉に駆け寄った。


「この靴、ヒール高すぎて歩きづらいのよッ!」


フラフラと傍に寄り、言い募ったわたしに、廉は深いため息をつく。


「ホントに手のかかるヤツだなァ…」


ぼんやりと呟いたかと思うと、なぜか廉はわたしの肩を抱き、ピッタリと身体をくっつけた。

わたしはビックリして、反射的に彼の身体を押しやりながら、なにッ!?と叫ぶ。


「いきなりなにすんのッ!!放せ、ヘンタイッ!!」


わー!わー!喚くわたしを見て、廉は眉をしかめて睨みつけた。


「こーした方が歩き易いだろ?」



………確かに歩き易くなったけど。



わたしは抵抗するのを止めた。廉はわたしの肩を抱いたまま歩き出す。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫