《MUMEI》

赤高ベンチ。


「いいぞ椎名ぁぁぁッ!!」


「ナイッシューッ!!」



声を出す千秋と安本に、


1年生も続く。



「ま…引っ張りに打てれば上出来だね。」



クロが呟く。



























「でかした椎名ッ!!!」



ディフェンスに戻る赤高。


「ナイッシューッ!!」



「あざっす!!」



褒められる椎名は笑顔だった。



「やるじゃね〜かッ!!」



沖が椎名の頭をかき回す。












ブチブチブチブチッ!!!!!!!












「ギャーッ!!!!!!」



悲鳴をあげる椎名。



沖は右手(両面テープ貼ってる)で頭を触ったのだ。


大量に抜ける毛。



「あ………」



「何すんすかッ!!?


バカバカッ!!!!


いてぇ〜しハゲたらどうしてくれんすかッ!!!!」




「でぃ…ディフェンスに集中しろッ!!」



「この人最低だよッ!!」



ディフェンスに付く椎名の目には、


うっすらと涙が浮かんでいた。




























ザワ…


「…綺麗なロング打つようになったじゃね〜か。」


ザワ…


「え?」


ザワ…


「いや…なんでもね。」


ザワ…

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