《MUMEI》 バシッ!! 村木がシュートを止める。 「ナイスキーッ!!!!!!」 速攻は出ないが、 ボールは赤高。 (やべぇ… マジで流れ悪い… 俺がコート戻ってから取れたのはたった2点… ヤバい… そろそろ勢い止めないとマジで手遅れになる…) … 時間は前半29分にさしかかったころ。 スコアは18対7まで開いていた。 ラスト1分。 時間的にはあとワンプレーからツープレーが限界だろう。 市立としてはここで赤高の攻撃を防ぎ逆速攻。 カウンターを決めて終わり後半の攻撃に弾みをつけたいところ。 しかし、 今流れは確実に赤高。 そう思い通りに行くような状況ではなかった。 … 「行くぞ〜ッ!!」 ボールは赤高。 センターに峰田。 左45に椎名。 右45にユキヒロである。 キュキュッ!! 間を攻める峰田。 シュッ!! ボールはユキヒロへ。 「時間ないぞッ!!」 ベンチからクロが叫ぶ。 ユキヒロから関谷、 関谷からユキヒロ、 そして峰田へ。 時間は残り30秒を切っていた。 走りながらボールを受け取った峰田は、 ヒュッ… 回りこんでいた椎名へパスを出す。 (またロングか…) 前に出るディフェンス。 しかし、 ヒュッ… シュートモーションに入った椎名は、 ボールを高く投げ捨てる。 そしてそこには、 「ナイスパスッ!!」 ポストスカイを狙う沖。 バスッ!! 「ナイッシューッ!!!!!」 「ビーッ!!」 沖のポストスカイが決まると同時に、 前半終了のブザーが鳴る。 19対7。 ポストスカイというトリッククロス最大の大仕掛けを成功させ、 赤高は前半を終える。 前へ |次へ |
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