《MUMEI》

「それから馬車でこられるシュール子爵と6:00晩餐、明日には…………って、聞いておられますか?ルワン様?」




「あぁ、それよりこの紅茶新しいのか?香りが全くしない…薄い」



紅茶を一口含み渋い顔をする






「え〜、何でだろ。私がいれたから美味しいはずなのにな」



ルワンの後ろに立っていた
金髪の落ち着きのない動きをする執事が答えた。



「…アンソニ…お前がいれた紅茶だと??」

「うんうん。そうだよ」




自信満々親指を立てる








「ねぇ…もしかしてアンソニ、一番左側の引き出しに入ってた紅茶とりだしたんじゃない…よね??」




冷や汗をながすメイド。


「え、そこから取り出したけど??上の段にシルバーが入ってた列だよね?」


「バカァァア!それは賞味期限切れてるから端によせて捨てるつもりだったのにッッ!!」





「ぶッッ!!」


噴き出すルワン



あはは〜そうなのぉ??アンソニは呑気に笑った





「殺す…」







「聞いておられるのかッ!今日の予定を把握しとかなければスムーズにことがはこびませぬぞ!?それと…アンソニッッ!!」


バンッと書類を机に
叩きつけながら怒鳴る
世話係のシャルドネ。
この屋敷で一番年齢が高い、今年70歳






「何??」



呼ばれて答えるアンソニ






「何??だと?…お前はロベスニーニ家当主に向かってなんとゆう口のききかただ!身分をわきまえろ!そして今度このような失敗を起こせばワシがお前をクビにする……ターニャ、この紅茶をすぐ下げなさい」


「は、はい」



そう言ってメイドに紅茶を下げさせた




「うるさいな、朝食ぐらい有意義に食べたい。それにシュール子爵は、まぁまぁの貴族だが、底など知れている。僕にとってメリットはあるのか?…あとアンソニは小さな頃から一緒だ別に敬語でなくてもいぃ…解雇するかしないかは僕が決める」



「………わかりました。が、今晩の晩餐会には必ず出席してもらいます、メリットどうこうではなく色々な貴族の方々と触れ合い信頼関係を築かなければ、企業は成り立っていきませんぞ!」


「聞くところによると、ソイツ、なかなかの変態らしいが…そんなやつと二人きりで食事…大丈夫なのか?」


「確かにね〜。ルワンさん可愛い顔立ちだから、食べられちゃうね♪頭から」
「うるさい、だまれ、死ね」


「酷いぃ!!!」





確かにルワンは母親似で
顔立ちは凄く可愛らしい



大きな深緑の瞳に
灰色がかったサラサラした髪

それに透き通った白い肌。



おまけに身長は165p





「…まぁ、とにかくロベスニーニ家のためです。なにかあってもそれなりの対応をしてください!」


「……面倒くさい……」








ため息をはきながら
最後の一口のアップルパイを
口に入れる。








ほのかにシナモンの香りが漂った

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