《MUMEI》

「まったく、アイツは強欲だ」



肘をつきながらレモネードを混ぜる







「まさか、天井から出てくるなんて…つか、密偵って、バレればとんでもないすよ」

「ふっ、バレる?そんな使えない奴、僕は手元に置かない。ロイは密偵に関しては天才的だ」


「誉め過ぎだろ」

「嫉妬か?」

「はっ、まさか」





コクリとレモネードを飲む



「そこで」
「??」




アークリィーに目線を移す




「お前にも協力してもらう」

「どんな?」





アークリィーの質問に
ニヤリと黒い笑みをうかべる



「お前は……シュール子爵を誘惑しろ」

「はぁッッ!!?」


「簡単なことだ。女を武器にあいつを誘って皮を剥いでやればいいだけのこと。出来るな??」

「いやいや、待て待て!!何であたし!?もっと他に可愛いメイドなりなんなり…「出来るな!?」」








アークリィーから冷や汗が伝った






「は、はっきり言うがな、あたしよりお前のほうが可愛いいっすよ。お前が誘惑したほうが確実に落とせる」


「お前と言うな、お前と。顔はお前よりいいことは知っている」







このやろッッ

「だったらルワン様がやったほうがいいのでは?女男関係ないのですよねぇ??」


「バカが、僕がなぜあんな変態に媚びを売らなくちゃならないんだ」







さも当たり前のように
言い捨てまた書類に目を通す









「それに、女のほうが口説くのはたやすいし、もしなにかあったとしてもお前は普通の女よりはるかに強いから自分の身を守れるだろう。なんたってマウンテンゴリラだからな」




そう言ってふっと笑う





「マ、マウンテンゴリラだとぉ!?てめー潰すぞ!!」

「ははっ冗談だ、酷い顔だぞ。おしとやかにしろそれと、今晩だけお前は僕の親族にする。シュール子爵のことだどうせ僕の家族構成など知りはしないだろう……と、言うことで」









するとルワンは内線の電話の受話器を取り





「……アンソニを出してくれ」







〜数分後〜





「はいはぁい。どうした?仕事〜?」


「コイツにレディの基礎を今晩中に叩き込め」

「オッケー♪♪」


「はぁ!?ちょっ!あと3時間くらいしか」


「はいはい、いくよお嬢ちゃん」

「いっとくが、見た目と違いソイツかなりのサドだ。いたぶられないようにな」












「い、嫌だぁぁぁぁぁあ」

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