《MUMEI》

「いいね。
今日ほど気持ちいい試合は久々だわ。」



「たはは。
俺たちもっすよ。」



体育館を出た通路。


そこに赤高はいた。


コートとベンチを空け、


後半に向けてのミーティングを行っていたのだ。



「テーピングと両面(テープ)取ってちょうだい。」



「はい。」



テーピングを巻き直す沖。



「何それ?
めっちゃ毛ついてるけど。」



「俺の髪の毛っすよ…」



「だはははは!!バーカ!!」



余裕の選手たち。



「お前ら調子乗んなよ?
昨日それで負けてんだからな。」



さらっとクロがそう言った。



「ゔ…」



「すいません…」



「まぁ気持ちはわかる。



今んところは完璧だもん。


ただ油断すんなよって話。


お前らが30分の間に12点差付けれるってことは、


向こうも同じ時間内に追い付く可能性があんだからね?


同じ高校生なんだし。」



「う…うっす。」



「さて…
後半はどうしようか…」



「…前半と同じじゃダメなんですか?」



「ダメ。」



「…?」

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