《MUMEI》
エアーが片言な理由
「エアー、栄養剤足りないから、喋らないの?」

「も、ある。けど」

「「けど?」」


アルゴンとクーが同時に首を傾げた。


くどいようだが、アルゴンは人相が更に悪くなり


クーは見た目平凡な少年だが、可愛かった。


だから自然と、エアーはクーに向かって答えた。


「クー、好きだから」

「「えぇ!?」」


す、好きって!?


コイツ等まさかの両想いか!?


動揺する、クーとアルゴン


するとエアーは、不思議そうに続けた。


「クー、エアー、笑う、好き、…でしょ?」

「「へ?」」

「違う?」

「ち、違わない違わない!僕エアー好きだよ!笑うの!」


クー、言葉遣いおかしいぞ


アルゴンは心の中だけでツッコミを入れた。


いくら鈍感なアルゴンでも、エアーがクーしか相手をしていない事に気付き始めていたのだ。


俺は、空気になろう


そんな、アルゴンをよそにエアーとクーは会話を続けた。


結論から言うと、エアーの口数が減ったのは、栄養剤効果が薄れてきたから、表情を


特に、クーが好きだと言った笑顔を作る方に、重点をおいている


という事だった。

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